時刻 |
経過 |
0:30頃 |
また日付変わってしまったよ。今日は11:00から姉様の結婚式
やな・・・出席できひんやろな・・・などと考える余裕なんてもちろ
んなく。ほんっきでもうしゃべる気力もないくらいヘロヘロに。看
護婦さんが来て内診、別の看護婦さんに「かなえさんの荷物、
分娩室に運んで」と指示。
ついにかっ!!!神様ー。
ところが隣のベッドで狂乱してる妊婦さんの脚の間に赤ちゃんの
頭が挟まってる状態だというではありませんか。
「かなえさんの荷物もう一回こっちに戻して!先こっちからいく
わ」
なんですって?
わたしは後回しかい!
「死ぬぅーーーーーーーーーーーーー」と絶叫しながらその妊
婦さんはわたしが入るはずだった分娩室に運ばれ、入るやいな
やオギャーと産声が。0:50女児誕生。(なぜか克明に記憶)
超安産らしいです。なんとうらやましい・・・
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1:00 |
たかし氏に「もう二度と子供なんか生まんからなっ!一人でい
い!どうしてもって言うなら無痛分娩じゃないとイヤやで!!」と
ヘロヘロなくせにキレる。「うんうんそうやな、無痛分娩がいい
ね」となだめられ・・・。
「じゃあ分娩室行こうか」と助産婦さんに支えられ陣痛室とつな
がっている分娩室に。歩いてる間に陣痛が来るとその場にしゃ
がみこみ耐える。
いたいよーいたいよーエライもん作ってしまったよーもうほんと
に二度と子供なんか産むもんか。
分娩室に入るとき、たかし氏が制止されながらもドアの隙間から
顔を出し、「頑張りや」と声をかけてくれた。いつも周囲の好意に
甘えて生きてきたわたしにとって今ってもしかして人生で初めて
誰にも頼らず一人で頑張らなければいけない場なのかも。
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1:05
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分娩台にあがり横になる。もっと大勢の人がお産に関わるのか
と思っていたのに助産婦さんたった一人のみ(しかも若い)。
ほんまにここ総合病院ですよね?
「破水させるねー」と何かをブツッと・・・。バシャッてお湯みたい
なものが大量に出てきたかんじ。すげー!わたしのカラダってそ
んな事もできるんですか?そしてさらに注射された。陣痛促進
剤?
「陣痛の波が来たら落ち着いて3回深呼吸して、4回目でいきん
で」と言われる。「ウンチするみたいにいきんで」って。それなら
大得意です。
きたきた。1,2,3・・・うーーーん!!!を繰り返す。「上手上
手!」とおだてられてすっかりいい気分に。調子にのっていきみ
まくると「そんなに頑張らなくていいから」と言われる。とほほ。
はっきり言って陣痛に比べると分娩は屁でもないです。全然マ
シ。いきんでる最中一回足がつって死にそうに。そっちの方がよ
っぽど痛かったです(←完全に運動不足)
1,2,3・・・うーーーん!!!を3〜4回ばかり繰り返すと「あと
ちょっとやで!もう頭が少し見えてきてるよ!」と。
まだそんだけかいな!
先生登場。たまたま当直だったとかでいつもの検診のS先生だ
った!なんとまだ姉様と同い年のわっかい女の先生です。
「頭出るときに裂けたらあかんからちょっとメス入れますねー」
え?これがウワサの?と思う間もなくピリッと熱い感覚が。全然
痛くない。熱いだけ。
さらにいきむ。いきむ。いきむ。・・・・・・
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1:45
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「頭出たよ!もういきまなくていいよ!そのままリラックスして、
脚の間見てて!」と急に言われ、一気に力が抜ける。
脚の間をじーっと見つめていると、ヌルルルルって感触があって
赤さんが出てきた。
12月6日午前1時45分、2930gの女の子誕生。
へその緒がつながったままの子供を胸元に乗せられた。
わたしの子。
愛する人の子だ。
カワイイとか感動とかは一切なく、ひたすら「終わった」。
でもとっさに両手と両足をつかみ、指をじっと見つめた。
顔は別にサルっぽくないしガッツっぽくもない(よく本に書いてあ
ったので)。死んだ父様の面影があるような。
ボンヤリしながら思ったのは「たかし氏と結婚してよかったなー」
「父様が生きてたらどんなに喜んだやろ」って事。
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2:00〜 |
看護婦さんが「ちょっと、見て見て!こんなん見たことない!」と
お仲間を集め始めた。なになに???何か赤さんに問題で
も!?と思ったら、へその緒がめちゃくちゃ太いとかで分娩室は
大騒ぎ。ハサミで切れなかったそうですから(汗)そりゃ予定日よ
り3週間も早いにもかかわらずデカイ子も生まれるわ。栄養満点
やってさ。
飲まず食わずでヘトヘトだったので看護婦さんがたかし氏から
お茶を預かって氷を混ぜて飲ませてくれた。うまいよー。
キレイにした赤さんを胸の上に乗せられ「おっぱい飲ませてみま
しょう」って。「妊娠中からどんなにマッサージしても一滴も母乳
出なかったんでムリと思います」って答えると「え?出てるよ?」
と看護婦さん。見ると何もしないのにジワーっとにじんでいるで
はないかっ!!おそるべし、女体の神秘。けど赤さんはまだうま
く吸えず。
いろいろ産後の処置。残ってるものを出したり、縫ったり消毒した
り。あられもないポーズでS先生と談笑しながら。羞恥心なんて
竜巻のようにどっか飛んで行ってました。先生いわく「予定日ま
でいかなくてホッとしたわ。3500gは確実に超えてただろうか
ら」って。。。
ゲー。
この間赤さんはお待ちかねのたかし氏&たかし氏母、うちの
母様のもとへお披露目。後日母様に聞くとたかし氏ってばウル
ウルしていたらしい。
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3:00 |
赤さんは丸一日だけ新生児室でお預かり。明日から恐怖の母子
同室が待っています。
長い長い処置も終わり、車椅子を押されてみんなのもとへ。
たかし氏が何ともいえない表情で「お疲れ様」を言ってくれた。
母様もたかし氏母も「長かったねー、ご苦労さん」と。ほんとご苦
労やったよ。自分で自分を褒めたいっつーの。何かくれ。
母子手帳に書かれた分娩所要時間は脅威の42時間20分。
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3:30 |
あんまりしゃべると疲れるよーと言われ、みんなとはここでお別
れ。たかし氏&母様は今日の8時には姉様を連れて式場に行
かなければならなかったので。
病室に案内されるが来院以来ほとんど何も口にしていなかった
ので猛烈な吐き気に襲われ病室でゲロゲロ(涙)帰り際にたかし
氏から渡されたおにぎりをお茶で流し込む。
頭が興奮状態でまったく眠れず・・・
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